昨日読んだ本に「昔取った杵柄」は本当にあるんだなと思うような事が書いていました。
昔とった杵柄というのは、若い頃に身に付けた技量や腕前を覚えていることや、その腕前が衰えないという意味のことわざです。
杵は餅をつく時に使う道具で柄は杵を握る部分だそうな。
正月を迎える年の暮れ、もちつきの際に杵を使うと年を取っていても若い頃の腕前を発揮できたことが由来となっている表現です。
確かに昔取り組んできた事はブランクがあっても再開してしばらくすると以前の感覚を取り戻してきたかも?と感じる事があります。
私はバレエを習っていたことがあるんですが、バレエを習っている人を見て常々感じていたことがありまして。
それは子供の頃バレエを習っていた再開組の人々はかなりのブランクがあったとしても大人から初めてスタートする人に比べて上達が早かったり体型がバレエ体型になりやすいということ。
バレエに限らず他のスポーツでも「経験者は上達がはやく、特定の運動に適した筋肉がつきやすい」などと同様な事を感じる方がいるのではないかと思います。
ブランクがあったら筋肉ってなくなってしまうはずなのに不思議ですよね?
これは「マッスルメモリー」といわれるメカニズムのようで、一度筋肉をつけると10年先までその記憶が残っているのだとか。 それで運動を再開したときに通常よりも早く筋肥大が起こるそうです。
このことは東大大学教授の石井直方著の「石井直方の筋肉の科学」に書かれていました。
本を読んだ後にマッスルメモリーについてネットで調べてみるとマッスルメモリーはDNAレベルで記憶するという内容の事が書かれている科学レポートをみつけました。
環境によって遺伝子の発現が影響を受けるエピジェネティクスepigeneticsというメカニズムが関係しているのだとか。
人体って不思議なしくみがあるものです。マッスルメモリーのような働きを知ると「昔取った杵柄」とは本当に良く言ったものだなと感じます。
昔取った杵柄:
年を重ねるとともに色々と能力面で危機感を感じる今日この頃。
「昔取った杵柄」でもう少しなんとかならないものでしょうか…