ここ三週間ほど、喉の調子が悪いので耳鼻咽喉科に行ってきました。
喉が痛く痰がからんでいる状態が続いており「もしかして声帯に何か異変でも?」と思いおそるおそる病院に行ったのですが・・・・
ファイバースコープで喉の奥をチェックしてもらったところ
「何もありません」と病院の先生が。
先生、私カラオケで大声で歌ったりした後に喉の調子が悪くなったんですが・・・
と伝えたら「ポリープとかもないですし、風邪でもないようです」と言われました。
症状の原因として他に考えられるとしたら逆流性食道炎とか・・胃酸を抑える薬を飲むともしかして良くなるかもとのことでした。
結局クスリも何も処方されなかったので、そんなに悪い症状ではなかったのかな?という感じでした。
私が心配しすぎだったんでしょうか・・・・・
歌手、ボーカリストでなければ、普通喉が痛くなったり違和感があったりして声帯の心配までする人はいないような気がするんですが。私は心配しちゃいました。
というのも、私は英語の学習が趣味で発音や声をさらに良くしたいという強い思いをもっており、発声のしくみの本を読んだりする事があるからなんです。
この手の本を読んでいると声帯の扱いには細心の注意が必要ということがわかるんです。喉を酷使したり負担がかかる発声は結果的に声帯を痛めて声質がかわってしまったり声がでなくなっていくことがある。
ニュースで「ポリープや声帯結節ができて活動休止」という記事を見かけるようにプロの歌手や声優でも声が出なくなる人はたくさんいます。
日本だけではなく海外のニュースでもこのような記事をみかけることが。
例えば「どうしてアデルのようなスターが次々と声を失ってしまうのか?」といったタイトルの記事。
この記事には次のような事が書かれていました。
アデルのオペを行った医師はZeitelさんという方だそう。一歩間違えると声帯のパワーや柔軟性を損なってしまうかもしれないような手術を成功させたようです。
以前は、ジュリー・アンドリュースが声の回復がうまくいかなかったことがあったり声帯の顕微手術はリスキーと言われたこともあったそうです。ですがこのアデルの手術の成功が大きな転換期になったと記事には書かれています。
アデルの件があってからZeitelさんのビジネスはブームになったよう。以前は歌手がキャリアのダメージをおそれて声帯の手術に関することを公表しない風潮も変化したのだとか。
歌手が自分の状態をオープンにできるようになって良かったですよね。きちんとファンや周囲にわかってもらえた方が心が楽になるのではと思います。
ちなみにZeitelさんは、700人以上のアーティストの声帯を治療したそうな。
その中には Sam Smith, Lionel Richie,Bono,Cherなどがいたり。
記事にはKeith Urban,Meghan Trainor,Celine Dion も手術のためツアーを中止にしたことが書かれていて、プロの歌手でもたくさん喉を痛めているのだなと思いました。
アデルの手術後、Zeitelさんは一躍セレブになったようなんですがこの事に異議を唱えている人もいるようです。
その女性はLisa Paglinさんという元オペラ歌手のボイスコーチの方。
この方が何を主張しているかというと、
「手術は一時的な改善である」
ということ。歌手が声帯を酷使するようなことを変えなければ同じことを繰り返すかもしれないと示唆しているんです。
Lisa Paglinさんは永久に声帯が保てるような方法を提案しているわけです。で、この方法にはほとんど消えてしまった「耳に優しく、喉にもやさしい」昔の歌い方を復活させることが必要なんだとか。
Lisaさんのアプローチよさそうだなあと思うんですがこの方法を異端とする声もあるようで・・・・
これは結構難しい問題ですな。
最近の聴衆が求めているものは声量が多い歌手だったりしますね。アデルがスターになれたのも声が大きいというのがあったり。
最近の楽曲ってハイトーンなのが人気だったり、声帯の酷使につながっているような気がします。
私の場合は個人的にハイトーンだったり声が大きければ良いとは思いませんが、一般的にはそういうものを求めている人が多いということなんでしょう。
イタリアの歌のベテラン講師等が「アデルやホイットニーヒューストンのように歌いたい若者が声帯結節になりやすい」と言っていたりするので、アマチュアも注意が必要かも。
あの歌手みたいにハイトーンで大きな声で歌いたいと思って痛めることがあるってことですね。
喉って実はプロのオペラ歌手でもたくさん痛めているそうなので、知識のない一般人の声の乱用は要注意です。
ちなみに声がかすれたりした時はすぐ病院に行くほうが良いみたいですよ。
歌手ではなくても、日頃から声を酷使するような職業についている場合(講師とか)や、大声で子供をしかったりすることがある人は特に注意が必要なのではないかと。
声帯にポリープとか結節とかできていて放置していたらおおごとになることがあります。
初期の場合だったら、声を使わずに安静にしていたり病院で適切な処置をしてもらえば回復することがあるようなので。
発声に関する本で参考になったのは「歌手ならだれでも知っておきたいからだのこと」です。喉の仕組み、呼吸、共鳴、表現のことなどが書かれています。
のどの病気と対処法に関することを含めた発声関連の書籍は「医師と声楽家が解き明かす発声のメカニズム」という本が写真付なのでわかりやすいと思いました。
個人的には正しい発声方法に関することは、これが良いとされている方法はあるようですが、全て解明できてはいないかもと感じています。
おそらく一流の正しいとされるボイストレーニングを受けているであろうプロの歌手がたくさん喉を痛めていますし。プロの方は酷使しすぎが要因のひとつなんでしょうけれども。
以前何かで昔ながらの唱法で高齢でも美しい声で歌っているシンガーがいるというのを読んだことが。そういう意味では現代の楽曲や歌い方にも考えるところがあるのかな?と感じたり。
素人なりに考えてみましたけれども、どうなんでしょう。
まあ、現在ある情報だけではなく科学的な事も含め最新の情報にも注目していかねばならない分野なのではないかと思います。
どんな分野でもそうですけれども、現在良いと言われている事が変わる場合がありますし。
声帯:vocal cord
声帯結節:vocal nodule
声帯ポリープ:vocal cord polyp
声の衛生についてもっと一般的に考える風潮が広まればいいなと思います。
そうしたら、歌手も「あの人練習不足で声がでなくなってる」とか言われる事も減ることでしょうし。よくネットで話題になるじゃないですか。歌番組の後にあの歌手はキーを下げすぎとか、声がでてないとか。
トレーニング不足だけでなく練習しすぎや、頑張りすぎて声がでなくなることもありますしね。
一般人も知識があり普段から気をつけていればガラガラ声になったりする事を防げるのではないでしょうか。